アスベスト(石綿)対策のための最適な防護服選びについて
Asbestos
アスベスト(石綿)対策のための最適な防護服選びについて
解体やリフォームなどに関わる建築現場で必要とされる防護服
当社にご相談いただく防護服の中でも、アスベスト(石綿)対策を目的とした内容は非常に多いです。
解体やリフォームなどに関わる建築現場では、作業者がアスベスト(石綿)等にばく露する恐れがあるため、
厚生労働省が通達した条件に適した防護服の選択と使用の徹底が必要となっております。
About
アスベスト(石綿)とは
その有害性が認識されるように
なった流れとは
アスベスト(石綿)は「せきめん」「いしわた」とも呼ばれています。
細いもので直径0.02µm~0.08µm(ヒトの髪の毛は直径40µm~100µm)と肉眼では見ることのできない極めて細かい天然の繊維状鉱物で、アモサイト、アクチノライト、アンソフィライト、クリソタイル、クロシドライト、トレモライトの6種類に分類されます。
アスベストは安価でありながら、耐熱性、耐火性、吸音性、耐薬品性、加工性に優れ、丈夫で変化しにくいという特性をもっているため、建築材料や摩耗材(自動車のブレーキパッド等)といった様々な工業製品に利用されてきました。日本では1970年~1990年頃には年間約30万トンもの大量の石綿が輸入されていましたが、その有害性から現在では石綿の使用は原則全面禁止されています。今後は当時建てられた建築物の老朽化に伴い、建築物の解体改修工事が増加し、周辺環境への飛散や労働者の石綿粉じん吸引・ばく露による健康被害が問題視されています。この危険性を除去、低減するためにもリスクアセスメントが重要になってきます。
Health damage
アスベストによる健康被害
長期に潜伏し様々な疾病を引き起こす可能性
アスベストは優れた特性を持っている反面、非常に脆い物質であるため、解体や災害などで粉砕されると微細な繊維が大気中に放出されます。非常に軽く、優れた繊維特性により、分解や落下することなく目に見えない微細な粉じんが浮遊し大気中に蓄積することとなります。この石綿粉じんを呼吸と共に吸い込んでしまうと、様々な疾病を引き起こす可能性があります。疾病によっては数十年に及ぶ潜伏期間をおいて発生するものもあり、また高い死亡率を伴うものもあります。主な疾病は「石綿肺」「肺がん」「悪性中皮腫」で他にも多くの疾病の原因となりえます。
アスベストの人体への影響は吸入量、ばく露期間に依存すると言われていますが、不明な点が多いとされていますので、適切な石綿対策を講じることが重要です。
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石綿肺
じん肺とも呼ばれ、吸入した粉じんが肺胞に沈着して肺の繊維化を起こす病気。進行すると息切れ、咳、痰の症状が出た後、進行すると呼吸機能が低下し、日常生活に支障をきたすといいます。潜伏期間:ばく露から10年以上経過
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肺がん
気管や気管支、肺胞の細胞にできる悪性の腫瘍です。潜伏期間:ばく露から30~40年ほど
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悪性中皮種
胸膜や腹膜、心膜にできる悪性の腫瘍です。胸の痛みに加え、呼吸困難、胸部圧迫感など。生活に大きな影響を与えます。潜伏期間:ばく露から40年前後
Measure
アスベスト対策について
石綿障害予防規則
2005年7月に「石綿障害予防規則」が施工されました。2016年6月以降は対策の強化を図るため、「石綿障害予防規則」「大気汚染防止法」が都度改正されています。2014年9月には厚生労働省より「石綿粉じんばく露防止のための適切な保護衣の使用について」の通達があり、石綿等の飛散がある現場では作業者が石綿等にばく露する恐れがあるため、適切な防護服の選択方法と使用法について通達されました。
本通達において、隔離空間内部など石綿粉じん発生量が多い作業現場で使用する保護衣は日本産業規格 JIS T 8115 浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ5)同等品以上のものを使用することと定められています。
2021年には更なる強化を図るため「改正 石綿障害予防規則」「改正 大気汚染防止法」が施工され、規制対象品の拡大や事前調査の信頼性の拡充などが図られています。また2022年には石綿含有の有無を調べる事前調査が必須となり、建築物の解体・改修・リフォームなどの工事対象となる全ての材料は、アスベスト含有建材の有無にかかわらず、調査結果を報告することが義務化されました。今後も更なる規則の強化が行われると予想されます。
石綿粉じんばく露対策として第一に重要なことは大気中への粉じんの放出量を少なくすることです。そして作業者への付着や吸入を防ぐためにアスベスト対応の防護服や呼吸用保護具を適切に選択する事が大切です。規則内でも、事業者は石綿粉じんにばく露する恐れのある作業に労働者を従事させるときは、労働者に作業衣又は保護衣を使用させなければならない。と定められています。
アスベスト除去作業とは
作業レベル
石綿が使用された建築物等の解体作業をする際には、アスベスト除去作業を行う必要があります。
アスベストの飛散リスクが高い順に作業レベルが1~3に分けられています。
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レベル1
発じん性が著しく高い。
建材の種類
石綿含有吹付け材など -
レベル2
発じん性が高い。
建材の種類
石綿含油保温材、耐火被覆材、断熱材など -
レベル3
比較的発じん性が高い。
建材の種類
成形板等その他の石綿含有建材
作業内容
アスベスト除去作業では、作業者や近隣住民の方の健康に影響を与えないように防護服などの保護具や工法の選定するための専門知識が必要になります。そのため、労働安全衛生法により石綿作業主任者と特別管理産業廃棄物管理責任者を選任することとされています。
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事前調査
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作業計画
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労働安全衛生法
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石綿作業主任者、特別管理産業廃棄物管理責任者の選定
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解体・除去工事
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事後処理
作業に必要な保護具
アスベスト除去作業では、「日本産業規格 JIS T 8115タイプ5(浮遊固体粉じん防護用密閉服)同等品以上」の防護服を着用する事が義務付けられています。
アスベストを吸引すると甚大な健康被害を引き起こす危険性がありますので、作業者はアスベストを吸い込まないよう、衣服に侵入しないように作業レベルに応じた呼吸器保護具や微粒子に対応した密閉性の高い防護服を着用することが重要です。また作業者以外の人が2次被害に遭うのを防ぐためにも、着用後の防護服は絶対に作業場外へ持ち出さないことも大切です。
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防護服(保護衣)
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呼吸用保護具
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保護めがね※半面型呼吸用保護具を使用の場合
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防護手袋
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シューズカバー
保護具の選定
石綿除去作業を行う際には呼吸用保護具(電動ファン付き呼吸保護具や防じんマスク)、保護衣などの保護具を着用する必要があります。
令和3年3月に厚生労働省・環境省より通達された「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」における選定方法は
下記の通りです。
(1)隔離空間(負圧隔離養生及び隔離養生)の内部では電動ファン付き呼吸保護具(平成26年厚生労働省告示第455号に規定)またはこれと同等以上の性能を有する空気呼吸器、酸素呼吸器もしくは送気マスク(以下「電動ファン付き呼吸用保護具等」という)を使用する。
(2)隔離空間外部で石綿除去作業を行う際に着用する呼吸用保護具は、「電動ファン付き呼吸用保護具等」又は「取替え式防じんマスク(昭和63年労働省告示第19号に規定するRS3又はRL3のものに限る。)」を使用する。ただし、切断などを伴わない囲い込み、成形板の除去作業の場合は同規格に規定する「RS2又はRL2の取替え式防じんマスク」とすることも可能。
(3)石綿除去等の作業では、「保護衣又は作業衣」を着用する。特に隔離空間内部での作業においては「フード付きの保護衣」を用いる。
(4)石綿含有成形板の除去作業等を行う作業場で、石綿の除去等以外の作業を行う場合は「取替え式防じんマスク又は使い捨て防じんマスク」を着用する。
保護衣は、身体表面、下着及び保護衣の下に着用する作業衣への石綿繊維等の付着を防止するために着用する。形状は、頭部を含む全身を覆うものとし、JIS T 8115の浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ5)同等品以上のものを使用する。
作業衣は、石綿を取り扱う作業場内で専用に着用する作業衣のことで、石綿を取り扱う作業以外の作業で着用する作業衣や通勤衣と区別して使用する。材質は、表面が平滑で粉じんが付着しにくいもので、構造は、粉じんが服内部に侵入しにくく、また、粉じんが堆積しないようにポケット数が必要最小限のものとする。
アスベスト作業では密閉性を高めるため、着用時には袖口等の開口部はしっかりとテープ止めする必要があります。また一度作業に使用した防護服は再利用せずに、必ずアスベスト廃棄物として処理しなければなりません。作業者のばく露や周辺環境への飛散を防止するためにも防護服の選定や着脱について、よく理解した上で使用しましょう。
保護衣と作業衣の違い
作業内容や周辺環境によって適切な防護服・保護服を選択しましょう。
保護衣:化学防護服(使い捨て)
作業者を危険物質から守るために着用する 化学物質等の有害物質やウイルスの侵入、付着を防ぐ 日本産業規格JIS T 8115において「酸、アルカリ、有機薬品、その他の気体及び液体並びに粒子状の化学物質を取り扱う作業に従事するときに着用し、化学物質の透過及び/又は浸透の防止を目的として使用する防護服」とされています。またタイプ1~6にクラス分けされ、用途によって適切な防護服を選択・使用することが重要です。
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化学防護服・保護服
防護服
バリアーマン
バリアーマン P3050 化学防護服(密閉型)
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化学防護服・保護服
防護服
バリアーマン
バリアーマン P3040 化学防護服
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化学防護服・保護服
防護服
バリアーマン
バリアーマン P6040 化学防護服
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化学防護服・保護服
防護服
バリアーマン
バリアーマン B5540 化学防護服
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化学防護服・保護服
防護服
バリアーマン
バリアーマン B5040 化学防護服
作業衣:使い捨て保護服
粉じんや油汚れ防止として着用する。工場や清掃作業、塗装作業などで活用されています。
Protective
clothing
石綿作業に適した防護服
作業レベルや工法に応じて最適な化学防護服を選択できるバリアーマン®
アスベストの微粒子を内部に侵入させないためには、日本産業規格 JIS T 8115 の浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ5)に適合した化学防護服が適しています。
バリアーマン®はJIS T 8115適合品を多くラインナップしているため、作業レベルや工法に応じて最適な化学防護服を選択できます。
またバリアーマン®の生地には帯電防止加工が施されており、アスベスト粉じんが防護服に付着するのを防ぐため、脱衣前の粉じんのふき取りや吸い取りも比較的安易に行えます。
作業レベル・工法に応じた選定基準
実際の使用環境に応じた選定が必要です。ご利用者の責任で選択してください。
除去対象製品 | 除去等工法 | 防護服の種類 | ||||||
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レベル1 | 吹付け材 |
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P3050 | ||||
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P3050 | P3040 | P6040 | B5040 | B5540 | |||
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粉塵の飛散等の実情に応じて個別に判断する | |||||||
レベル2 | 耐火被覆材 |
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P3050 | ||||
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P3050 | P3040 | P6040 | B5040 | B5540 | |||
断熱材 |
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P3050 | |||||
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P3050 | P3040 | P6040 | B5040 | B5540 | |||
|
粉塵の飛散等の実情に応じて個別に判断する | |||||||
|
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P3050 | ||||||
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粉塵の飛散等の実情に応じて個別に判断する | |||||||
保温材 |
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P3050 | |||||
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P3050 | P3040 | P6040 | B5040 | B5540 | |||
レベル3 | 成形板 |
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P3050 | ||||
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P3050 | P3040 | P6040 | B5040 | B5540 | |||
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P3050 | P3040 | P6040 | B5040 | B5540 | ||
石綿含有 仕上塗材 |
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P3050 | |||||
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P3050 | P3040 | P6040 | B5040 | B5540 | |||
その他 |
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P3050 | P3040 | P6040 | B5040 | B5540 |
レベル1 / 吹付け材 |
除去対象製品
除去等工法
防護服の種類P3050除去等工法
防護服の種類P3050 / P3040 / P6040 / B5040 / B5540除去等工法
防護服の種類粉塵の飛散等の実情に応じて個別に判断する |
||
---|---|---|---|
レベル2 / 耐火被覆材 |
除去対象製品
除去等工法
防護服の種類P3050除去等工法
防護服の種類P3050 / P3040 / P6040 / B5040 / B5540 |
||
レベル2 / 断熱材 |
除去対象製品
除去等工法
防護服の種類P3050除去等工法
防護服の種類P3050 / P3040 / P6040 / B5040 / B5540除去等工法
防護服の種類P3050 / P3040 / P6040 / B5040 / B5540 |
除去対象製品
除去等工法
防護服の種類P3050除去等工法
防護服の種類P3050 / P3040 / P6040 / B5040 / B5540 |
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レベル2 / 保温材 |
除去対象製品
除去等工法
防護服の種類P3050除去等工法
防護服の種類P3050 / P3040 / P6040 / B5040 / B5540 |
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レベル3 / 成形板 |
除去対象製品
除去等工法
防護服の種類P3050除去等工法
防護服の種類P3050 / P3040 / P6040 / B5040 / B5540 |
除去対象製品
除去等工法
防護服の種類P3050 / P3040 / P6040 / B5040 / B5540 |
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仕上塗材石綿含有 |
除去対象製品
除去等工法
防護服の種類P3050除去等工法
防護服の種類P3050 / P3040 / P6040 / B5040 / B5540 |
その他 |
除去対象製品
防護服の種類P3050 / P3040 / P6040 / B5040 / B5540 |
アスベストという環境問題を解決するための除去工事では作業従事者や周辺環境への影響をいかに低減し、防ぐことも非常に重要です。
そのため、幅広い知識と法令や規則に沿ったリスクアセスメントを行い、安全・安心な工事を心がけましょう。
参考
厚生労働省・環境省「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル(令和3年3月)」
厚生労働省「石綿障害予防規則」
独立行政法人環境再生保全機構「石綿と健康被害」